Claris FileMakerを使う上で享受できるメリットのうちトップ5に入るんじゃないかと思う、FileMaker Goで行える「署名」。
電子的な署名ということではなく、よく店頭でクレジット支払いするときに求められる(今では暗証番号入力が多いかも?)ときに紙上で「サインお願いします」と言われてサインする、あれです。
デジタル署名についてもFileMakerはver.18以降で対応( CryptVerifySignature , CryptGenerateSignature )していますが、それについては別の機会に書きます。
FileMakerで署名欄に入力できないときとは?
以下のケース、経験したことないですか?
・署名欄をタップしても「実行できるオブジェクト操作はありません」という悲しいメッセージが表示されるのみで署名画面が表示されない
・あるアカウントの人は署名欄が操作できるけど、私のアカウントでログインしたら署名欄が操作できない
・ある条件下で署名欄が表示されたり表示されなかったりする
・署名するボタンを設置し、ボタンをタップしても署名欄が表示されない
これらのケースで、対応を列挙してみます。
ケース1:署名欄をタップしても「実行できるオブジェクト操作はありません」という悲しいメッセージが表示されるのみで署名画面が表示されない
端末の設定で、FileMaker Goアプリの設定を確認してください。
「カメラ」アプリのアクセス許可がオフになっていたら、オンにします。
署名やオブジェクトフィールドを外部へ保存する手段として「写真」アプリも活用している場合は、「写真」アプリへのアクセス許可もオンにします。
ケース2:あるアカウントの人は署名欄が操作できるけど、私のアカウントでログインしたら署名欄が操作できない
セキュリティ設定のアクセス権セットを確認してください。
「利用できるメニューコマンド」が「最小」になっていませんか?
ここを、「最小」以上の設定にしてみてください。
この設定を直したことで、解決したFileMaker CommunityでのQAを以下に貼っておきます。
その節はありがとうございました。
→FileMaker Go 19.3 : オブジェクトフィールド欄に署名ができない
FileMaker CloudおよびFileMaker Serverのユーザグループに漏れていませんか?
サーバー管理をしている際、ユーザをグルーピングしてセキュリティのアクセス権セットに割り当てている場合、署名できないユーザのアカウントがサーバー内でのユーザグループに漏れていないかを確認してみてください。
ケース3:ある条件下で署名欄が表示されたり表示されなかったりする
署名欄の設定で、「次のオブジェクトを隠す」設定がされていませんか?
何かしらの条件でオブジェクトを表示・非表示の設定がされているかもしれませんので、確認してみてください。
このキャプチャの場合は、「作成者がAdminの場合に署名欄が表示される」ので、それ以外の作成者にはこの署名欄は表示されません。
ケース4:署名するボタンを設置し、ボタンをタップしても署名欄が表示されない
大抵は、アプリの設定やセキュリティ設定でなんとかなります。
ケースごとの対応を書いていますが、全ての面から確認して、それでも署名欄がおかしいな、と思ったら、スクリプトの確認に移ってみて下さい。
レイアウト上に署名フィールドが配置されていますか?
レイアウト上に署名フィールドが設定されていることが、署名欄を表示する条件の一つになります。
レイアウトに署名フィールドが設定されていることを確認して下さい。
スクリプトから操作するときに適切に設定されていますか?
デバイスから挿入ステップを使ってスクリプトから署名欄を表示・設定することができます。
この時の「タイプ」が「署名」になっているか、確認して下さい。
もし、レイアウト上に配置する場所がない場合は、レイアウト表示外に設定して署名フィールドに名前を付けてスクリプトから操作して下さい。
スクリプトでは、「デバイスから挿入」をする前に、署名するフィールドで名前をつけたオブジェクトに移動します。
これで、大抵はなんとかなります。
では!