【FileMaker】簡易的な全文検索を実装する

FileMakerのソリューション開発の依頼を受ける際、よく請ける内容の一つに、「全文検索」があります。
以前、【FileMaker】テキスト内を検索して、マーキングする というPatternCountとTextStyleAddを使った検索方法をご紹介しましたが、一つのフィールド内での検索でした。
だがしかし、世の中的に「膨大なデータの中からキーワードにマッチしたデータを抽出したい」という気持ちがあるのは至極当然です。

全文検索、、、と難しく考えるとあれこれスクリプトを組まなければならないのか?と思いがちですが、FileMakerでは

クイック検索の実行

があります。
これが優秀でして。

素晴らしいことに、全ての製品(Pro Advanced,Go,WebDirect,Server,Cloud,Data API,Web公開,Runtimeソリューション)で互換性があります。1

もちろん、FileMaker画面上のステータスツールバーにはクイック検索が実施できるようにあらかじめ表示されています。
quick1.png
が、ソリューション提供時にはステータスツールバーは表示しないことが多いですよね。

こういう時は1行スクリプトの出番です。

実装

レイアウト上にクイック検索を実装します。
quick3.png

検索窓は、単純にグローバルフィールドを実装しています。
quick2.png

検索ボタンは、クイック検索の実行を指定してます。
quick4.png

実証

では、テストデータを入力し、検索してみます。
シンプルに「本」です。
quick5.png
複数フィールドから「本」を検索しています。

ただし、このクイック検索の欠点は、 レイアウトに表示されていないフィールドは検索対象にならない 、ということです。
試しにnoteフィールドを表示せず、唯一入力されていた「超大作」という文字列を検索してみます。
quick6.png
はい、検索されません。

では、ポップオーバーに隠した状態での検索はどうでしょうか?
quick7.png

はい、検索されました!
quick8.png

実装してみよう

簡易的ではありますが、このように検索機能を実装することでかなり使い勝手のいいソリューションに仕上がります。
「全文検索」できるようにしてね、と言われて頭を抱えるのではなく、「こういうことでいかがでしょうか?」とできることを組み合わせて提案していくのも顧客満足度を挙げる一つの手ですね。


  1. FileMaker Pro 11からの対応になりますので、それ以前のバージョンの場合はこの限りではありません。